2016年10月5日水曜日

セビリア大聖堂 とアルカサル

セビリア大聖堂 (12世紀~16世紀)とアルカサル(14世紀~16世紀)

セビリア大聖堂はヨーロッパで三番目に大きいといわれる聖堂です。
ゴシックの特徴のフライイングバットレスが、規模は小さいですがささやかに見えます。聖堂が十字の建物なので、十字の角ではバットレスの内側の曲線が交錯し石積み構造とは思えない複雑な構造を外に見せています。
かっこいです。

頂部はゴシック的な尖塔ではなく、ドームで、ルネサンスが混在しています。ドームの補強の部材がおしゃれです。
教会の建設には125年かかっており、聖堂につながるヒラルダの塔を持っていたイスラム教のモスクから数えると300年以上かかって現形になっています。そう考えると、サクラダファミリアが100年以上時間がかかるのはこの国では特別なことではないのかもしれません。
ヒラルダの塔
アルカサル

アルカサルは、14世紀にイスラム時代の城塞を改修したスペインの王室の宮殿です。セビリア大聖堂に広場をはさんで隣接しています。
14世紀のペドロ一世がイスラム文化に心酔していたおかげで、キリスト教の大聖堂の横で、イスラム時代の宮殿をさらに発展させたこのような美しい宮殿が残されました。

イスラム様式の建築物はいくつか見ましたが、背の高いドーム構造で大空間の創造を成し遂げたミナール・シナンのイスタンブール、絨毯やシャンデリアなど材料で贅を極めた近代UAEと比べるならば、クラフトマンシップの頂点アルカサルという感じです。
アルカサルの職人は同時代に建設されたアルハンブラ宮殿の職人が派遣されてきたそうです。細工が非常に細かく、現代的な時間の進み方ではとても完成するまで待てない装飾ではないかと思います。

装飾は非常に細かいのですが、イスラム建築の禁欲的な控えめさがあり、そよ風や外の緑の雰囲気が部屋の中で感じられる静けさもあります。
観光情報として、朝一で見学できる場合、入り口の開場時間9時30分の15分前くらいまで、入場の列が出来ずに広場にもやーっと人が集まっています。このとき、ライオン門の前に自分で列を作ってしまうと先頭で入れます。うかうかしていると早く着いたのに列の後ろで入場券を買うために待たされてしまいます。

団体さんが来る前に、静寂な中庭を拝見できるとよいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿