2017年2月5日日曜日

コルドバのメスキータ

コルドバのメスキータ (8世紀~16世紀)

2万5千人収容のムスリムの礼拝堂だった建物の中央にキリスト教の教会が新設された2つの様式が同居する不思議な建築物。
15世紀にキリスト教の大聖堂からモスクに転用されたイスタンブールのアヤソフィアの逆です。
改築を指示したカルロス一世は、中央部を破壊し改築中のメスキータを見て、メスキータがこんな素晴らしいものと知っていたら、工事に許可を与えるのではなかった。と言ったと伝えられていますが、そうだとしても広い列柱が占めるメスキータが広く残っており、往時の技術に敬意を持つ感性は大事だと思います。

構造だけでなく、大理石の色合いの妙、赤いれんがと石を組合わせて装飾された二重アーチが延々と連なる様は壮観です。

Wikiより、建物の変遷は次の通り。

784年 - コルドバの初代アミールアブド・アッラフマーン1世の命により、モスクとして建設される。
961年 - ハカム2世の命により、拡張工事が実施さる。
987年 - アル・マンスール・イブン・アビ・アーミルにより拡張工事、現在のメスキータの形となる。
1236年 - カスティリャ王フェルナンド3世の軍によりコルドバ征服。モスクはカトリックの教会に転用される。
16世紀 カルロス1世により、メスキータ中心部に身廊が増築される。

柱の右側がイスラム建築、左側が挿入された中央部の教会堂。ゴシック様式のリブ・ヴォールトの天井が見える。

偶像、装飾てんこ盛りの教会部分

主要なモジュールである大理石の柱と二重アーチは、他の構造物から転用した大理石の柱を使って高い天井を作るために考えられた構造だそうです。
石積み構造なので、基本的には載せるだけの構造で、設計者はきゃしゃに見える柱の上に重い屋根を積み上げていったときに、さぞ、崩れないか恐ろしい日々を過ごしたのではないかと想像します。これだけの柱が、曲げを伝えない部材で、何かの拍子に水平力がかかればこてっと倒れてしまいそうです。
引き合いに出したアヤソフィアの大ドームは完成までに崩れたり、ゆがんだりを繰り返したようです。こちらはどうだったのか、どんな試行錯誤を乗り越えたのか、エンジニアの挑戦の過程に興味をひかれます。

今回の旅行で時間的にアルハンブラ宮殿かメスキータのどちらかを選ばねばなりませんでしたが、成り立ちの面白さや連続アーチの独自性から今回はこちらに行きました。
非常にユニークかつ、構造が美しく、ここは行ってよかったです。

塔の上から構造全体を見たかったですが、14:00から16:00まで昼休みで入れませんでした。残念。


その他コルドバの観光

コレデラ広場(Plaza de la Corredra)
最初の建物は17世紀にたてられ、19世紀までは役所や刑務所として使われていた。マーケットが併設されている。広い中庭では、闘牛にも使われていたとのこと。
113×50mの広い長方形の広場をビルで取り囲む景色は近代のコロッセオという感じ。

このスケールの大きさと単調さの組合わせは最高です。

バー(Califa)
オリジナル地ビールの店。このバーにかかわらず、駅から街中に午前中からビールが飲めるバーがいくらでもあります。IPAうまかったです。
歩き疲れて、このバーでのどを潤していたところ、幼稚園の兄弟の送り迎えのお母さんが子供とやってきて一杯。遅れてきたスマートな感じのお父さんがまた一杯。
明るい太陽と、アンダルシアの人たち、で、のどが渇けばビール。この世の天国かと思う一方で、こりゃ同じEUのドイツが同じ負担させられたら怒るわ、というのも感じました。



ローマ橋
1世紀に作られたアーチ。橋脚断面は太った飛行機の翼状。河床も滑らかに改修済。

コインロッカー
コルドバ駅の出口を出て、右下にお土産屋さん兼コインロッカー屋さんがあります。3ユーロ。身軽に歩きたい方に。
http://blog.his-j.com/madrid/2015/05/post-42d1.html



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