2017年2月27日月曜日

新天門橋の架設設備

新天門橋の架設設備 (Lc=280m、2017年3月完成予定)

天草一号橋(天門橋)の隣に建設中の新天門橋を一号橋から見学しました。熊本天草幹線道路の一部として建設が進められています。
現在、熊本から天草の南端牛深までは2車線の国道が1本で、生活道路と遠距離移動を分離することは地域にとって価値のある事業と思います。
牛深は魅力的な町なので、移動時間が短縮されれば訪れる人も増えるのではないでしょうか。
新天門橋はソリッドリブアーチとして日本最大のアーチ支間を有する橋梁になります。中路の桁とアーチリブは剛結されているので、中央部分はローゼアーチです。

隣の天草一号橋は1966年開通時に支間300mの世界一の連続トラス橋でした。
見学でしびれたのは、曲線が続く道路を橋に近づいて進むと、山の手前から山越しに見えてくるケーブル架設用のタワー。このタワーが出来たころは、地域の人は、高いタワーを建ててるなあ、このタワーは新しい橋のどの部分になるのだろう?と思ったのではないでしょうか。
もうすぐ撤去されてしまうんですよね。分かっていてもすごい仮部材。施工技術の結晶です。
隣の一号橋も長大な連続トラスで、存在感は相当なもののはずですが、横に並べてみると架設タワーの存在感がはんぱないです。

主役のアーチは三角側からだと一号橋の歩道を歩くと見えます。
それぞれ勝手な目的を持った行き先の違うケーブルは、東南アジアの電柱を思い出させます。
ケーブルの張力調整、形状管理、PC桁の張り出し架設用のワーゲン、現場継ぎ手の足場。あらゆる工種が詰め込まれています。楽しくて気が変になりそう。
ケーブルエレクション工法は特にヒンジ連結でつないでいくと形状管理が難しいので、現場接合はボルト添接が採用されるのが基本、とされています。最近、一括架設のアーチや海外の例を最近よく見ていたので、全ボルト添接は久々に見た気がします。
ケーブル定着用のアンカレイジも架設が終わったら無用です。潔いです。美しいです。

最近、テレビで、架設タワーの隣の敷き鉄板の上を舞台にした日産キャラバンのCMを見ました。車のCMは橋を通過するものが多いですが、この工事現場を題材にするとは目の付けどころがしぶい。

0 件のコメント:

コメントを投稿