子供の頃、学校のチューリップの球根を掘り上げ、たくさん増えて喜んだ記憶があります。ところが、ネットで見ると、意外と球根で増やすのも条件が必要なようです。
期待95%、不安5%で掘り上げた、我が家のチューリップの球根の分球の具合を報告します。
育てたチューリップは、富山県花卉球根農業協同組合のHPで買った3品種(白雪姫、はちみつみるく、銀杯)です。植える場所の景観に合わせて白系統です。露地なので背は高め中心で選びました。
4/11白雪姫。奥は葉っぱが頑丈なはちみつミルク。花はまだ。その奥の銀杯は見えない。
気候 北関東、東京より1.4度年平均気温が低い。
植え付け場所 露地、日照良好
植え付け間隔 18cmくらい
気をつけたこと
- 芽が出るころから、冬でも土が乾かないように水をあげました。花が散った後も水遣りは続けました。
- 肥料は、緩効性を目的に有機肥料を元肥で深いところに十分目に与えました。追肥はしないようにとの情報があったのでやっていません。
- 花・めしべは花びらが散ってからもぎ取りました。
結果
元の球根の数の2倍強の数になりました。なかなか良好だと思います。
白雪姫 ダーウィンハイブリッド(DH) 草丈20-40cm
2017 開花4月上旬、これだけ入学式シーズンに開花、葉っぱが枯れた時期5月13日。
2018 3月31日開花。2018年は寒い日の後、急に1週間暖かくなったので、3種類が1週間以内に開花しました。咲く日は同じ種類のチューリップが一気に開花します。
2019 4月5日開花。
[1年目]
植え付け18個→48個(外周8cm以上)
12-14cm 5個
10-12cm 15個
8-10cm 28個
6-8cm 58個
[2年目]
発芽 64個→29個開花。35個は葉っぱだけ。
12-14cm 5個
10-12cm 21個
8-10cm 38個
6-8cm 51個
発芽 71個→31個開花。
12-14cm 1個
10-12cm 1個
8-10cm 13個
6-8cm 35個
掘り上げ後に吹き込んだ雨で腐らせて壊滅状態。白雪姫さんごめんなさい。花姿が美しく増やしたかったですが出直しです。
はちみつみるく トライアンフ(T) 草丈40-60cm
2017 開花4月中旬-下旬、葉っぱが枯れた時期5月30日。
2018 4月3日開花
2019 4月14日開花
[1年目]
植え付け18個→57個(外周8cm以上)
14cm以上 17個
12-14cm 1個
10-12cm 25個
8-10cm 14個
6-8cm 5個
[2年目]
発芽53個→開花24個。29個は葉っぱだけ。
大きい球根からは2つ花芽が出るのが半分以上ありました。
14cm以上 26個
12-14cm 17個
10-12cm 33個
8-10cm 34個
6-8cm 37個
85個開花!
14cm以上 32個
12-14cm 57個
10-12cm 57個
8-10cm 79個
6-8cm たくさん
大増殖です。花後の葉の持ちがよく、関東の気候にあっているのかもしれません。
早く花が咲く白雪姫は、暑さが苦手なようで球根が肥大する期間が短く豆球が多いです。(今年壊滅は保管の失敗。)
去年、大きい球根を実家で育てたところ日当たりのせいか花が咲きませんでした。球根時に花が咲くか決まっているのではなく、育て方にも依存するようです。チューリップ育ては手抜き禁物。
銀杯 シングルレイト(SL) 草丈40-60cm
2017 開花4月下旬、葉っぱが枯れた時期5月30日。
2018 4月4日開花
2019 4月14日開花
[1年目]
植え付け18個→39個(外周8cm以上)
12-14cm 4個
10-12cm 16個
8-10cm 19個
6-8cm 13個
[2年目]
発芽52個→開花47個。5個は葉っぱだけ。
発芽率100%、小さい芽も蕾を持ち、小さい葉っぱなのに強い生命力!
12-14cm 1個
10-12cm 17個
8-10cm 28個
6-8cm 21個
43個開花。
12-14cm 0個
10-12cm 7個
8-10cm 16個
6-8cm 20個
数が減ってしまったのは、夏場の球根の保管が悪く球根をひからびさせてしまったため。
傾向
品種によって、増え具合や球根の大きさがだいぶ違います。
びっくりしたのは、はちみつミルクの最大周長さが17.5cm!と他の品種より一回り大きいです。
傾向として、葉っぱが大きい品種は球根が大きい。
晩生種の方が大きい、かもしれない。
銀杯は晩生種ですが、葉が小さく、茎が長く伸びるタイプで、球根はそれほど大きくはありませんでした。品種ではダーウィンハイブリッド系(白雪姫がこれ)が丈夫らしいですが、我が家の最大球根はトライアンフ系(はちみつミルク)でした。
花は、黄色い花がだいたい強いので、黄色が混じったはちみつミルクは丈夫なのかなと考察しました。
花が咲くかは10cm以上が目安になるようです。
掘り上げたチューリップの球根、銀杯
掘り上げたチューリップの球根、はちみつミルク
こんな感じで子球根はもげます。中心の白いのが茎で、元の球根は跡形なく茎が根っこに直結しています。根っこと子球根は分離できます。乾くとより外れやすいですが、つい我慢できずに外してしまっても特に問題ありませんでした。
トルコ・エデルネにあるセミリエジャーミーを訪ねたとき、その場所はもとはチューリップ畑だったそうで、柱にチューリップの浮き彫りが彫られていました。
201905 追加知識
Eテレ「植物に学ぶ生存戦略 話す人・山田孝之」にて、
- チューリップは交配して雑種を作らずに球根でクローンを作る、常に同じ色の花が咲くのです。この当たり前の前提で数えていたことに気がつきました。
- チューリップは花びらの内側の成長が早いときは開く(昼)。外側の成長が早いときは閉じる(夜)。を繰り返しながら、開花後に花の大きさが猫ひろしから館ひろしになるように大きく成長をしていく。の説明も目から鱗でした。
突然の連絡申し訳ありません。
返信削除わたしは,教科書発行者で中学校理科の教科書を作成しております。
現在作成中の教科書で,
「チューリップの無性生殖により,今の代と前の代で花の特徴が変化しない」
という資料写真を掲載したいと考えております。
このような意味合いで,
分球によりふやす前の(いわゆる親の)花の写真と,
分球によりふやして育てたあとの(いわゆる子の)花の写真を
セットでお持ちでないでしょうか。
お持ちのようでしたら,教科書に掲載させていただきたいと考えております。
大変お手数で申し訳ありませんが,
わたしのメールアドレスまでご連絡いただけると幸いです。
申し訳ありません。写真は多数ご提供できたのですが、1年の間、コメント受信に気がついておりませんでした。本件にて、コメント受信時の通知機能があることを学んだ次第です。。また、お役に立てることがありましたらご連絡下さい。せっかくご連絡いただいたのに失礼致しました。
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