2017年4月8日土曜日

レッジオエミリアの巨大単弦アーチ

レッジオエミリアの巨大単弦アーチ (橋名不明、Ponte di Calatrava, Ponte Centraleなど,Lc=221m, 2006)
両隣のループタワーの斜張橋 (橋名不明、Ponte Lateraleなど, Lc=90m, 2007)

レッジオエミリアAV駅からミラノ側に1.3kmの位置に、高速鉄道と、並行して走る高速道路を一気に跨ぐアーチ橋です。
設計はサンチャゴ・カラトラバ。
両端の丸くくりぬいてあるごつい版構造は鋼製です。

中央支間長は221mと鋼製のローゼアーチとしては、盧浦大橋という化け物を除けば、適用最大クラスの支間です。これを単弦で実現するのはかなり大変で、横方向の座屈耐力を上げる工夫が必要です。この橋ではアーチリブ断面を上部で横に扁平な形として、横方向の剛性を上げるとともに、アーチ基部をごつい形にしているのも、見かけ上のアーチ支間を短くする目的があるかもしれません。

アーチの架設方法はアーチリブに沿って3本の架設タワーを建て、タワーで3つ折れにしたアーチ部材を直下吊りするという変わった工法です。
架設工法参照;http://www.hsh.info/scavalsa.htm

断面を近くで見ると、外側はきれいな平面をみせていますが、2箱の内面はコの字型でパイプでブレースを組んでおり、BOXは形成していません。この辺は経済設計が理由でしょうか。ケーブルの定着構造がかなり弱そうに見えます。

もっとも現地を歩いてみて、経済設計を求めるなら、この三連の長大橋の存在自体が大きな謎でした。

  • この橋の近くでランプ橋が思い切り高速道路内の敷地を使っており、このような巨大なアーチ支間を飛ばす必要がない。
  • また、両端のループタワーの斜張橋も同じく、斜張橋の支間を伸ばすために広いラウンドアバウトを作っているように見え、同じくスパンを飛ばす必要がない。
  • 周辺は静かで、交通量も少なく、エキスポで作るようなモニュメントを見る人が少ない。

世界最大クラスの単弦アーチをどうしても作りたかったから作ってしまった。
楕円タワーの斜張橋を両側に並べたかったから並べてしまった。ような。

カラトラバやっちゃってます。

ということで、技術的にも非常に高度なアーチ橋ですが素直に感心する気持ちには少しなれない橋でした。
道路、歩道橋とも交通量は少ない。
うーん
場所はレッジオエミリアAV駅から東へ1.3kmです。歩く途中にバス停はありましたが、終バスは早く、ここまで歩いた後、在来線のレッジオエミリア駅まで行くタクシーを近くのホテルで呼んでもらいました。

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