古い工場の跡地をリノベーションして公園と博物館にしたボーフムのWestparkの北西の入り口に架かる歩道橋。
設計はシュライヒ事務所(schlaich bergermann partner)。
平面曲線を持つ桁を片面で吊る構造では、桁の回転中心をハンガーケーブルを定着する側に寄せないとバランスが取れません。さらに平面曲線がS字の場合には、桁の回転中心(桁断面の三角形の頂点)を断面内で右寄りから左寄りに変化させる必要があります。これを板で構成されるBOX構造で実現するとなると、ただでさえ線形がややこしいのに、ウェブがねじれてあまり製作図面を考えたくなくなります。
同じような吊橋の、コルトレイクのネイのS字吊橋ではこのめんどくさそうなことを高いレベルで実現していました。お疲れさまです。
また、たとえ全体構造のバランスが取れていたとしても、塔に直角方向に作用する(かもしれない)水平力をとるために、塔頂から地面にアンカーケーブルを張りたくなるのが気の弱いエンジニアの人情ですが、それもしていません。
設計者の自信がうかがえます。
なお、ドイツの歩道橋のハンガーを止めるクランプはサイズが小さい気がします。
設計上の物性値の違いなのか、これはケーブルが細くクランプが目立つ歩道橋の設計には大きなアドバンテージです。
振動防止に制振装置が支間中央と塔位置についていました。
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