2016年10月4日火曜日

セビリアの斜めの鋼主塔を持つ斜張橋

セビリアの斜めの主塔を持つ斜張橋 (Puente del Alamillo, Lc=200m, 1992) 

1992年のセルビア万博に合わせて建設されたアラミージョ橋。設計はサンチャゴ・カラトラバ。氏の作品としては比較的初期のものです。
主塔は遠くで見るとエレガンスですが、近くで見るとごついです。それもそのはず、主塔高は140mあり、桁から上の塔の高さからすると、600-700mクラスの斜張橋の塔に匹敵します。しかも、中央の1本主塔なので2本分の太さです。
子供たちが塔基部の曲面をすべり台にして遊んでいました。
主塔はてっきりコンクリート製で主桁の重量とバランスさせているかと思ったら、全て鋼製でした。これでカラトラバにひっかかったのは基部のデザインを見ていなかったモンジュイックの丘のモニュメントについで2回目です。年表を見ると2つの構造は同じ年に完成しています。

単純に桁と塔で、それぞれの単位長さ辺りの重量が同じとすると、この塔の角度58degでは、桁の重量に対するカウンターウェイトとして塔の重さだけではバランスはしないので、塔に強度/重量比率の高い鋼材を使うことが適材適所なのか、正体を見たときに期待が半減してしまったのは偽らざるところです。当初、万博会場の反対側にももう一つ橋を架ける計画であったのが、資金ショートでかけられなかったというのも分かります。

ケーブルは塔から中央の歩道の両端に定着しており、箱桁もこの歩道下の小さいBOXです。ここから、ブラケットを張り出して車道を支えています。張り出しが長く4m程度。
1面吊り(この橋は狭い幅の2面吊り)の構造は、ケーブル構造では桁のねじり変形に抵抗出来ないので、桁は幅広の箱にしてねじりに抵抗するのが常道ですが、この橋は比較的箱が小さいです。200mなら問題なかったのかもしれません。

遠景はハープの音が想像される美しさです。遠くから愛でることにします。
橋へのアクセスはセビリアの長距離バスターミナル付近から、川沿いに走っている06番のバスで橋が見えてきたら、その辺で降ります。C3番のバスも川沿いの同じルートを走り、市街をまわってくれるバスです。バスは前乗りで運転手に1.4EUR払います。町中のトラムはホームの自販機でチケット購入。

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